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たこ焼きを焼いて楽しくなった大学生活|#045 大賀 亮介さん

聖学院大学 児童学科 卒業

noteでこの卒業生紹介企画をはじめた当初、リレー形式で卒業生を推薦してもらうアイデアがありました。

バスケットボールフリースタイラーの
橋本KAZさん、宮城県で活躍中の菅野雄大さんといった、すでに記事を掲載した卒業生に「どなたか卒業生を推薦してください」とお願いすると、同じ卒業生の名前が出てきます。

聖学院大学ボランティア活動支援センターに聞いても、やっぱりこの卒業生が推しだと言います。

それが、大賀 亮介(おおが りょうすけ)さん。
茨城県の公立小学校で教壇に立つ聖学院大学の卒業生です。

優等生という意味ではないですが、在学中から目立つ学生だった大賀さん。
きっと子どもたちに人気の先生になっているんでしょうね。
どんな先生になっているのかとても楽しみです。


子どもたちに視野を広げてもらいたいので、まずは自分の視野を広げる

ーー ようやく大賀さんの取材ができました。楽しみにしていたんです。
さっそくですが、現況をお話いただけますか?

自分は今、茨城県の公立小学校で教員をしています。
現在の学校に新任で着任して、今年が4年目です。
現在は6年生の担任をしています。

全学年を合わせて、児童数が50名に満たない少人数の学校で、自分は全部で15名の6年生の学年を担当していますが、学年によっては人数が少なくて2学年合同の複式学級もあります。

自分は人と関わることが好きなので、児童や保護者、そして先生たちと関わり、いろんなできごとがあって、日々新鮮な毎日を過ごしています。

当初イメージしていた先生の仕事とギャップがあるかといえば、思っていたよりも思った通りだったというか、あたりまえですが、思った以上にまともな仕事だなという印象を持っています。
それはどういうことかといえば、先生になって、自分の個性というかオリジナリティをいかに出そうかと思っていましたが、それにはまず教員としての基本的なあり方をしっかり整える必要があると思ったのです。
やるべきときにやるべきことをきちんとやらないと、オリジナルなことをやったって認められるわけはなく、変人だと思われるだけです。

4年間、毎年違う学年を担任していますが、同じ学校でも学年やクラスによってタイプが全然違うんです。
なかなかたいへんなときもありますが、それだけにやりがいがあります。

課題というか、現在のテーマとして自分が持っているのは、子どもたちの視野を広げたいということです。
地域の学校ですし、学校の児童数が少ないので、関わる社会の範囲が狭くて、多様性がないんですね。
そのため発想力に乏しいというか、低いレベルで平均化してしまう傾向があります。
子どもたちの視野が広がることを期待するなら、まず自分自身が視野を広げないといけないですね。
そして、いろんな経験を児童たちに伝えていけたらと思っています。

視野を広げるという意味では、先日の、聖学院大学での助成事業公開審査会※の話を児童たちにしたら、とても興味を持って聞いてくれました。

※「ボランティア・まちづくり助成事業公開審査会」

聖学院大学では、地域と連携し地域課題の解決に取り組んでいます。
6月24日に開催した「ボランティア・まちづくり助成事業公開審査会」は、学生たちが活動を行う上で必要な経済的支援を求め、プレゼンテーション(3分間)を行い、発表を聴いた小中学生の赤い羽根審査員、大学同窓会(一般審査員)、当日来場した地域の方々(福祉関係者、公的機関、自治会、NPO等)からそれぞれ、助成・寄付を受けられる仕組みの審査会です。
SDGs×地域貢献活動を企画・実践する10の学生プロジェクトが発表しました。
↓聖学院大学同窓会のこちらのレポートもご覧ください。


先生という仕事はとても素敵な仕事

ーー いつ頃から、小学校の先生になろうと思うようになったのですか?

大学を受験するときに、自分の将来について高校の先生と一緒に考えたのですが、そのときに「先生」という職業が浮かびあがりました。
先生も「大賀に向いていると思う」と言うし、自分でも向いている気がして、すっかりその気になって教員をめざせる大学選びをしました。

中高ではなくて小学校の先生になろうと考えたのは、小学生だったら自分でも教えられるだろうと思ったからです(笑)。

大学でボランティア活動をしていたときに、被災地である石巻の大川小学校に行きました。
大川小学校でのできごとを知り、先生という職業の責任の重さに「自分にはムリかも」と一度は教員の夢をあきらめようとしました。
でも、「本当にそれで良いのか?」と自分と向き合い、自問自答を繰り返した末にあらためて教員をめざすことにしたのです。
その考える時間は決して無駄ではなかったと思っています。

自分のことをよく知る地元の友だちは「亮介が先生になったなんて俺は信じない」と今でも言います(笑)。
一方で「自分の子どもはぜひ亮介のクラスで学ばせたい」と言う友人もいます。

朝は、7時20分には学校にいますが、帰りはほとんど遅くならないです。
5時過ぎには帰っているんじゃないかな。
小学校の先生の仕事は、業務が忙しくてたいへんだという理由で、希望者が減っていて、社会課題にもなっています。
確かに業務が多くて、子どもたちの課題の丸付けをするために5分くらいで給食を食べなくてはならないときはありますが、やりがいは多いし、言われているほどたいへんだと思ったことはありません。

いくら忙しくても、子どもたちと遊ぶ時間は確保しています。
休み時間は子どもたちと過ごしているので、お昼に丸付けをするのはある意味、仕方ないかなと思います。

働いてお金をもらうわけですから、どんな仕事でも楽なことなんてないと思います。
いかにその仕事に意味を見出せるかが大切なのだと自分は思います。

だから、世の中で言われているウワサや評判に振り回されないで、先生になる夢を描いている人はそれを貫いてください。

先生という仕事はとても素敵な仕事ですから。


ふとしたきっかけで楽しくなった大学生活

ーー 大学生活のことを聞かせてください。

小学校の教員免許が取れるからという理由で聖学院大学に進学したのですが、正直いうと、最初は大学がつまらなくて、1年くらいふてくされた生活を送っていました。

NSO※の先輩に誘われて、ヴェリタス祭(大学祭)でたこ焼き屋をやったのですが、思えばそれが大学生活が楽しくなったきっかけでした。

聖学院大学ではリトリートというキリスト教センターの行事が夏と冬に行われているのですが、今思い出してみると、結局、毎年夏冬と参加していましたね。

※ NSO(NEW STUDENT ORIENTATION)
在学生が新入生を歓迎して開催されるオリエンテーションで、毎年入学直後、4月はじめに実施されます。NSO実行員会という組織があり、映像やダンスパフォーマンスなど大掛かりな演出で新入生を歓迎するプログラムが実施されてきました。

自分が小学校の採用試験を受けた当時は、ピアノの試験もありました。
大学で「器楽E」の授業を履修したら、金管楽器の中から楽器を選ばなくてはならなくて、はじめてトランペットを吹きました。
でもそれが案外楽しくて、楽器が好きになり、今はウクレレを練習しています。

ーー ボランティアをはじめたきっかけは?

雄大(菅野 雄大さん)との出会いですね。
自分と友だちとで大学で、「なんかあそこに背がデカいイケメンがいるから声かけて仲良くなろう!」と言って、こちらから声をかけました。

雄大は仙台で被災して、高校生の時からボランティア活動をしていて、大学でも団体を立ち上げたいというので、自分も一緒にやることにしました。
それがSTEPという学生ボランティア団体です。

自分はボランティア活動支援センターの活動に積極的に参加していたわけではないし、ボランティアの意味も実はよくわかっていなかったんです。

だから当時は、
「なんで被災地のボランティアなんかやってるの?」
「どんな意味があるの?」
と雄大を質問攻めにしていました。

STEPの活動でよく仙台に行きましたが、ボランティアをしに行くというより、人に会いに行っていた感じです。

STEPと菅野さんのストーリーはこちらをご覧ください


ーー 最後に大賀さんのビジョンを聞かせてもらえますか?

先生としての自分のビジョンから話すと、子どもに夢を持たせてあげることです。
それは大きな夢じゃなくてもいいし、人それぞれのいろいろな夢でいいと思いますが、とにかく夢は持ってもらいたいと思っています。

自分自身のことをいえば、「いつまでも、おじいちゃんになっても、友だちと飲みたい」ですね(笑)。
(取材:2023年7月)

『ボランティアの集い』で寺﨑先生とピース♡

ーー 大賀さんありがとうございました。
おじいさんになっても飲みに行けるように、健康にも気をつけましょうね。

●大賀 亮介(おおが りょうすけ)さん プロフィール
聖学院大学 児童学科 2018年卒業
茨城県 公立小学校 教員
高校時代はハンドボール部 県大会ベスト8
大学では菅野さんと一緒にボランティア団体STEPを発足
NSO実行委員長も務める
所属したゼミは、現在聖学院大学 学長の「小池茂子ゼミ」

「誰一人取り残さない」世界の実現を目指して
聖学院は教育で社会に貢献しています


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