とうふづくりを通して自然や命のありがたさを知る
聖学院小学校2年生 生活科授業「おとうふづくり」
2025年1月21日(火)実施
聖学院小学校は授業を通して自然や環境について学んでいます。
そうした取り組みが評価されて、ユネスコスクール(キャンディデート)に認定されました。
生活科の授業の大豆の栽培もそんな取り組みの一つです。
昨年5月に植え、大事に育ててきた大豆が収穫されたので、山形県の「いとうファーム」の伊藤さんに来校いただき、大豆からのとうふづくりが行われるということなので取材してきました。
とうふづくり前半
とうふづくりは、児童5人で一グループとなり、12のグループに別れて行われます。
そのため12名の保護者に応援に来てもらいました。
事前の作業として、大豆をよく洗い水につけておくことが必要です。
つけおき時間の目安は20時間なので、前日のうちに先生たちが大豆を水につけておいてくれました。
児童の作業は次の行程からスタート。
まずは、大豆と水をつぶつぶ感がなくなるまでミキサーにかけました。
時間は1分間。
キッチンタイマーがないので、児童たちみんなで60(秒)数えました。
次に、呉汁を鍋に入れて、鍋を焦がさないように木べらでかき混ぜながら煮立たせました。
泡が浮き上がってきたら火を止めて冷まします。
バットの上にしぼり器を置き、布袋を広げ冷めた呉汁をすべて入れて、しぼりべらでしぼります。
「今、この場所には3つの食品があります。何と何と何かわかりますか?」
と伊藤さん。
布袋に残ったものが「おから(卯の花とも呼びます)」になり、バットにしぼられたものが「豆乳」です。
そして、豆乳の表面に張られた膜は「ゆば」となります。
とうふづくり後半
しぼり器でしぼりバットに溜まった豆乳をそっとこぼさないように鍋に入れて、中火にかけます。
吹きこぼさないように、しっかり温度を管理します。
通常は78度になるようにするのですが、聖学院小学校は調理作業を行なっているオリーブホールの気密性が高いので76度を目安としました。
次は、とうふの神様の登場です。
海水からとれる「にがり」を水で薄めて鍋に入れます。
にがりが入ったら木べらで数字の8の字を描くようにして3回混ぜます。
「漢字の八ではないですよ。」
ふたをして、ふたを開けずに20分間置いておきます。
「鶴の恩返しのお話で、のぞいてはいけないと言われながらのぞいてしまったらどうなりましたか?決してのぞいてはダメですよ。おとうふの神様が逃げてしまいますよ。」
バットに「とうふ型」を置いて、しき布をしき、その中に鍋の中で固まった豆乳をおたまですくって入れます。
落としぶたをしてペットボトルに水を入れた重しを置きます。
ここまでの作業をして、いったん休憩となりました。
休憩中、伊藤さんが大豆の栄養と、人間に必要な三大栄養素「タンパク質」「脂質」「炭水化物」のお話をしてくれました。
大豆にはタンパク質と脂質が豊富で、昔からの健康食品だったのです。
さて、いよいよ大詰め、手づくりとうふとの対面です。
重しをどかして、型ごと水の中に入れます。
水の中で静かに型をはずし、とうふを布ごと取り出します。
布に包まれたとうふをバットに移して、そっと布を取り外したら、とうふの完成です。
実食!
できあがったとうふをみんなで試食しました。
今日だけでも、9時から作業を始めて3時間かかりました。
5月に大豆の種を植えてからなら、なんと8ヶ月!!
スーパーで購入するばかりではわからないものですが、とうふをつくるって時間がかかって、とてもたいへんなのです。
しかし、大豆を育てるところからつくったとうふは、本当に美味しくて、大豆のしっかりした味がしました。
とうふづくりを教えてくれた、いとうファームの伊藤さんに2年生代表の児童が感謝のご挨拶をして、本日のとうふづくりの授業は終了しました。
(取材・撮影:聖学院 広報センター)