また大学生になれるとしたら、もう1回、聖学院大学を選ぶと思います|#015 安井 彩乃さん
聖学院大学 児童学科 卒業
今回は聖学院大学の児童学科を卒業して埼玉県内の公立の小学校に勤務している安井彩乃先生を取材してきました。
「このタイミングでこの先生がいてくれて良かった」という先生になれたら好いなと思っています
ーー 現在の小学校での先生のお仕事についてお聞かせください。
大学を卒業して、小学校に教員として就任して今年が4年目となります。
私は今、6年生の担任をしています。
就任1年目は4年生の担任をしていて、2年目も4年生の担任でした。
そしてその学年と一緒に繰り上がり、3年目が5年生、そして今は6年生の担任です。
1学年4クラスあって、クラス替えはありますが、2年目以降ずっと同じ学年を担任しています。
学年によって先生の相性があるということを聞くのですが、今の学年は自分にとってすごく相性が良いようです。
自分がこうなって欲しいという子どもへの想いと、子ども自身の想いとがうまく一致している気がします。
しかし、相性の良い先生が担任でなくなった途端に、今まで子どもたちができていたことができなくなるところを実際に見ていますので、相性が良いからといって、それで良いのか悪いのかは悩むところです。
音楽、家庭科、外国語は専科の先生が担当をしていますが、その他の教科は全部私が教壇に立っています。
授業以外の役割としては昨年度は道徳主任、今年は安全主任をしています。
安全主任は避難訓練とか、通学班会議などを担当します。
学校は行事も多いですね。
つい少し前の5月末には運動会が行われました。
ーー先生になろうと思ったきっかけを教えてください。
自分の小学校、中学校時代を振り返ったときに、「あのとき、あのタイミングでいてくれて良かった」と思える先生がたくさんいました。
そして今の自分があります。
特に小学生のときの先生方に感謝しています。
今の自分のほとんどは小学校のときに経験したことが基盤になっています。
だから自分も、関わった児童たちがそんな風に思ってくれたら好いな、自分もそんな存在になれたら好いなと思っています。
5年生、6年生を担任してくれた大好きな先生が今は校長先生をされていて、いまだに交流があり、もちろん自分が小学校の教員になったことも報告しました。
聖学院大学を選んだ理由 決め手はオープンキャンパス
ーー聖学院大学を進学先として選んだ理由を教えてください。
私は高校を選ぶときに、自分の能力で入れるところ、つまり偏差値での学校選びをしてしまい、きちんと学校自体を見なかったんです。
どんな雰囲気で、どんな先生がいて、どんな生徒が通っているのか。
ここに自分の居場所があるのか、学びたいことがきちんと学べるのか、そうしたことを考えないで選んでしまったので納得感を持っていなかったんです。
だから、大学はしっかり自分の目で見て、感じて決めようと思っていました。
大学を選ぶときはすでに先生になろうと思っていたので、先生になるために有利な制度がある大学にしようとは思っていたのですが、決め手はオープンキャンパスでした。
聖学院大学のオープンキャンパスに参加して、大学の雰囲気を感じて、学生スタッフの先輩方や職員の方に親切にしてもらって、そして先生方とお話しさせていただき、説明を聞いて、「ああ、ここで学びたいな」と思いました。
在学中は小川隆夫先生、清水均先生、寺﨑恵子先生、熊谷芳郎先生他、ホントに多くの先生方から、人生の指針になる言葉をたくさんいただきました。
すごく思い出として残っているのは、卒業式のあとのグラデュエーションパーティで齋藤範雄先生が自分に「ありがとう」と言ってくれたことです。
「何がですか?」と自分が聞くと、4年前にオープンキャンパスで会って、安井さんに聖学院大学に来るように強く奨めたのだけれど、それで良かったのか、もしかしたら安井さんには他の道を提示してあげるべきではなかったかとずっと迷っていたと言うんです。
「でも、今のあなたの姿は、4年間、聖学院大学で学んだことが正解だったと私たちに思わせてくれるので、心からありがとうと言いたいんだ」と言われました。
そうした先生たちとの出会いがあるので、本当に聖学院で学んで良かったなと思っています。
ビブリオバトル全国大会のファイナリスト
ーー安井さんといえばビブリオバトルの印象があります。全国大会の決勝に出場されていましたよね?
全国大学ビブリオバトルは、まず大学内での学内選考があり、地区予選、地区決戦、本戦と進んで行きます。
私は、1年生と3年生のときに全国大学ビブリオバトルのファイナリストとして決戦大会に出場することができました。
本というツールを通して、こんなにいろんな人とつながれるということが驚きでした。
1年生のときは辻村深月さんの『凍りのくじら』という小説を紹介をしました。
辻村さんという作家さんはドラえもんが好きで、ドラえもんのひみつ道具の名前で目次が構成されています。
これだけで面白そうじゃないですか?
物語はずっと暗いのですが、ラストにかけて明るくなっていくところがすごく面白いんです
我慢、妥協、納得、協力ができたら悩みごとの9割は起こらないと思う
ーーこれからのビジョンについて聞かせてください。
管理職になりたいとか、教育委員会に行きたいとかそういう目標は実は持っていません。
ずっと子どもたちと一緒に現場にいられたら好いなと思っています。
それからビジョンといえるかどうかはわからなのですが、いつも子どもたちに話していることがあります。
それは、「我慢、妥協、納得、協力ができたら悩みごとの9割は起こらない」ということです。
クラスに38人児童がいても自分と同じ人は一人もいません。
だから、思い通りになるなんてことはないんです。
例えば机を少しだけ右にずらして欲しいと思っても、隣の人は言うことを聞いてくれない。
しかしそれでいちいち腹を立ててぶつかっても仕方がないから、「言ってもしょうがない」とまずは自分が我慢をして、「この子はこういう子だから」と妥協をして、相手の立場で相手を理解することが納得。
「この子が動かしてくれないなら、自分がもうちょい左にずれるか」とこちらが協力をする、そういうサイクルができたら大人になっても困ることはないと思うのです。
自分が教員だからとか関係なく、世の中のみんながそうであれば好いなと思います。
そうしたら、争いごとなんてなくなると思いませんか?
ーー最後に、安井さんにとって、聖学院とは何かを聞かせてください。
聖学院大学に入学しなかったら今の自分はいなかったと思います。
人生がやり直せて、また大学生になれるとしても、私はもう1回、聖学院大学を選ぶと思います。
(取材:2022年 6月)
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