思い入れと意気込みが違う、女子聖学院の運動会!|#058 遠藤 茉梨子さん
聖学院幼稚園
聖学院小学校
女子聖学院中学校・高等学校 卒業
2022年、学内広報誌『聖学院NEWS LETTER No.284』※で「みんなのビジョン」という特集記事を掲載しました。
その際にインタビューをした女子聖学院中高の遠藤茉梨子(えんどうまりこ)先生。
幼稚園から聖学院に通われていた聖学院への想いのある先生なので、「いつかきっと取材しますね!」と約束をしていました。
なかなか実現しないまま時間が過ぎてしまいましたが、今回、念願の取材が実現いたしました。
女子聖学院中高といえば運動会!!
今回の取材では特に運動会と、運動会でも披露されるリトミックにフォーカスを当ててお話をうかがいました。
思い入れと意気込みが違う、特色ある女子聖学院の運動会
ーー広報誌の取材のとき、女子聖学院中高の主体性が具現化された「運動会」「記念祭」「合唱コンクール」の3大行事、と言っていましたが、その中から特に運動会についてうかがいたいと思います。在学当時の思い出と、教員の立場として現在の運動会について思っていることをお聞かせください。
在学中の運動会の思い出といえば、本当に楽しいことばかりでした。
中学生のときは、立候補して応援団に参加しました。
はっぴを着てアリーナまで降りていって競技者の間近で応援をして、競技に出ていないときはずっと応援をしていたので、自分が参加した競技よりも印象が強く残っています。
女子聖の運動会は学年対抗で、高校の学年が、青、紅、黄の3色に分けられます。
中学生は学年やクラスに関係なく青、紅、黄の3色に振り分けられるのですが、私は中学では紅、紅、黄でした。
高校の学年の色は持ち上がりで3年間変わりません。
ちなみに私は紅組でした。
本番はもちろん練習のときから、競技の方法や特徴、コツなどを、高校生が中学生に教えるので、運動会の準備や練習を通して接点を持ち、仲良くなり、先輩後輩の良い関係が構築されていきます。
私は中1、中2と紅組でしたので、特に3学年上の高校生の先輩と懇意になりました。
高校のときは審判係を担当しました。
競技ごとに審判係がいるのですが、私は3縄(3人縄跳び)の審判責任者を務めました。
またヘッド(競技指導者)という役割があるのですが、3縄と敏捷性という競技のヘッド長を務めました。
私たちの頃は、ヘッドを担当した高校生は、中学生の後輩にはもちろん、高校生にも、関わったすべての生徒に、手分けをして手紙を書いていました。
私は3縄と敏捷性でヘッド長でしたので、手紙を書く人数も多く、とてもたいへんでした。
しかし、私が中学生のときには私は手紙をもらう立場であり、先輩たちも私たちに手紙を書いてくれていたことを思うと、自分も頑張ろうという気持ちになりました。
チームを盛り上げるために行なっていることであり、少したいへんではありますが、ずっと引き継いでいきたい取り組みだと思い、せっせと手紙を書いたことを覚えています。
3縄とは”3人縄跳び”のことで、両側の2人が縄を回して、中央の生徒が走りながら縄を飛ぶ競技です。
”敏捷性”とは反復横跳びと平均台を跳ぶことを組み合わせた競技です。
それから2人3脚、3人4脚、4人5脚、5人6脚と人数が増えていきながら競走する”なかよし”という競技など、独特な競技が多いことも女子聖学院運動会の特色の一つです。
現在は教員の立場で運動会に関わっています。
生徒のときには、自分たちが自分たちだけで運動会を運営していた気でいましたが、特に安全面等において、余計な口を出さずに、しかし陰からしっかりと見守っていてくれた先生たちの存在があったことに、立場が変わって初めて気がつきました。
保健体育科の先生たちは、審判係、召集係、用具係、得点係の顧問となります。
他の先生方は学年を担当していたり、色顧問という役割があるなど、青、紅、黄の特定の色を応援することができますが、保健体育科の先生は”色なし”であり、中立の立場を取らなくてはなりません。
私は高1を担当しているので、黄色を応援したいところですが、保健体育科の教員なので、あくまでも中立の立場です。
しかし、ホームルームリレーだけは我慢できずに、黄色のシャツを着て走ってしまいました。(笑)
リトミックで達成感や成功体験を感じて欲しい
ーー女子聖学院中高は伝統的にリトミックを授業で実施していますが、遠藤先生のリトミックに対しての考え方や思いを聞かせてください。
リトミックはタイコを使います。
たたくだけならば、慣れればそれほど難しくはないのですが、タイコをたたきながら指示の言葉も発するので、そのタイミングはとても難しいです。
私はリトミックと聖学院小学校時代に出会いました。
ちょうど私が在学していた頃、小学校1、2年生に対して女子聖の田中優子先生が小学校でリトミックを教えていた時期だったのです。
そして女子聖に進学して、中1からずっとリトミックを学び、リトミックが身体に染み込んだわけですが、大学では女子聖で学んだリトミックに触れることはありませんでした。
現在、本格的に天野式リトミックに触れられる場所というのは、おそらく女子聖中高以外には少ないのではないでしょうか。
私も実は、それほどずば抜けて運動の才能があるわけではないのですが、リトミックは運動能力など生まれつきの資質よりも、努力が生かされるものなので、運動が得意ではないと思っている生徒ほど頑張ってもらいたいと思っています。
田中先生も「繰り返しの練習が大切」、「やればできる」といつもおっしゃていました。
生徒たちには、リトミックを頑張って、達成感や成功体験を感じて欲しいと私も望んでいます。
リトミックの発表の場は、やはり運動会です。
今は、中2から発表があるので、運動会で発表することを意識して練習を続けています。
運動会が終わってしまったら、次の学年に向けて、後輩たちの良い見本となることをモチベーションとして練習に励んでいます。
中3の3学期には”色”や”季節”などをテーマにしてリトミックを取り入れた創作ダンスを考えてもらっています。
リトミックは、拍子の違う動きを右手と左手で行ったりして、脳トレにもすごく良いと思います。
そしてもちろん、ストレッチにもなりますし、健康的な効果は高いと思います。
上級生の姿から、自分のビジョンをイメージ
ーー 聖学院幼稚園、聖学院小学校の思い出を教えてください
幼稚園のとき私はとても泣き虫な子どもでした。
小学校時代にはクリスマスページェントで博士役を演じるなど、いつの間にか積極的になっていきました。
やってみようよ!
と後押ししてくれる学校や先生の雰囲気や文化が聖学院にはあると感じています。
幼稚園から小学校が見えることも、良い影響があるのではないでしょうか。
少し年上のお姉さん、お兄さんの姿を毎日見ることが、自分の将来像を具体的にイメージすることにつながるからです。
同じ意味で、女子聖のチア・リーディング部の演技を小学生のときに見たことが印象に残っています。
私はチアには入りませんでしたが、チアのお姉さんたちがとてもカッコよくて、素敵に見えて、憧れを抱きました。
ディズニーのようなエンタメ性とホスピタリティを学校に
ーー これからどんな学校をめざしていきたいか、先生としてのビジョンと、それから遠藤先生個人のビジョンもお聞かせください
現在は、コロナ禍を体験して、生徒どうしの関わり方が少し希薄になっている気がします。
以前は、憧れの先輩や同級生が存在していて、ロールモデルとして自分のモチベーションアップにつながったり、お互いにリスペクトして高め合うということが今以上にあった気がしています。
なんとなく元気がなくなってしまったように感じる学校の元気を取り戻したい、というのが今の私の教員としてのビジョンです。
私は現在、ディズニーランドにハマっています。
もともとディズニー好きではあったのですが、最近、特にショーのエンターテインメント性や、キャストらのホスピタリティに触れて、ますますファンになりました。
人と接する職業という意味では先生も同じで、エンターテインメント性やホスピタリティの面で学ぶことが多いと思っています。
守るべき伝統、受け継いでいくべき大切なことはもちろんあります。
それを承知の上で、固定観念に囚われてはいけないのかなと思います。
過去に信じていたことを捨てられないことは多いですが、ときには現在(いま)に、そして外部(そと)から学ぶことが、とても大切なのではないかと考えています。
そうした意味で、大学院で学ぶことも少し視野に入れています。
(取材:2024年1月)
ーー 遠藤先生、運動会、リトミックのお話、とても興味深かったです。
一緒に元気な学校をめざしていきましょう!
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