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「こういう人がいたら良いな」と自分が思っていた大人になれていると思います|#018 加藤 博さん

聖学院中学校・高等学校 卒業

みなさま こんにちは、こんばんは、おはようございます。
恐竜のお兄さん、こと加藤 博です。

YouTubeチャンネル「DINO-PALEO Channel」でユニークなレクチャーを展開する恐竜のお兄さんが、聖学院中高の卒業生らしいという情報を入手したので、さっそく取材に行ってまいりました。


職業は恐竜のお兄さん

ーー YouTube拝見しました。加藤さんが本当に恐竜が大好きなんだなということが伝わりました。YouTubeの活動を含めて、現在のお仕事のことを教えてください。ご職業は何とお呼びすれば良いでしょうか?

職業は恐竜のお兄さんです(笑)
私のミッションを一言で言うなら「古生物学の普及」と「恐竜好きな皆様のサポート」となります。
具体的な仕事内容としては、タレントとしてワオ・エージェンシーに所属しています。
2021年からの所属なので、まだまだ駆け出しです。
今のところはYouTube配信が中心ですが、恐竜関連のイベントへの参加や、オンライン授業など、恐竜に関することならば積極的に何でも挑戦していきたいと思っています。

ご覧いただいたYouTubeはDINO-PALEO Channel(ダイノ・パレオチャンネル)と言いますが、恐竜と古生物学を専門にしているチャンネルということでダイナソーとパレオントロジーから文言をとってチャンネル名としました。

2022年の3月から配信を行っていますが、初級向け、中級向けの恐竜研究や、恐竜グッズの紹介、映像の紹介など、現在(6月)までに、すでに30本を超える動画をアップしました。

加藤さんの事務所のある町には
こんな素敵な橋がある風景もありました。

大学で考古学、博物館で古生物学を学ぶ

ーー 何がきっかけで恐竜に興味を持たれたのでしょう。
また、現在のお仕事をするに至った経緯をお話しいただけますか?

恐竜との出会いは小学校の図書室にあった本でした。
私は昔から読書が好きだったのですが、読書の一貫として恐竜の本を手に取りました。
恐竜の本を読んで、恐竜たちの大きさに驚き、その形の面白さに興味を持ちました。

そして私の恐竜好きを決定的にしたのは2002年に幕張メッセで開催された恐竜博(世界最大の恐竜博2002)でした。過去最高クラスに本当にクオリティの高い展示で、一気に惹きつけられて、この分野を深く学んでみたいと思うようになりました。

進学する大学を選ぶときにはたいへん迷いました。
私は古生物学を学びたかったのですが、当時は恐竜をメインにした古生物学を学べる大学の選択肢がほとんどありませんでした。
福井県立大学や岡山理科大学など、自分が大学へ入学してから古生物学を学べる大学が増えたので、1、2年違ったら違う選択ができたかも知れません。
迷った挙句、東海大学 文学部 歴史学科の考古学専攻に進学することにしました。
しかし、どうしても古生物学を学びたいという想いを諦めきれず、自分の中でこのままで良いのかという葛藤がありました。
いろいろ考えた末に大学受験と同時進行で、聖学院の生徒手帳を片手に上野の国立科学博物館に行き、古生物学の先生に会い、その想いを伝えてお願いをし、国立科学博物館で大学とは別に古生物学を学ばせていただけることになりました。
恐竜の研究者として第一人者であるということだけでなく、教育者としてもとても素晴らしい先生で、自然科学の科学者としてのマインドや考え方、生き方を学ばせてもらいました。

大学を卒業してからも恐竜や古生物に関わる仕事や活動を継続して行い、2020年にはワーキング・ホリデー制度を利用してカナダアルバータ州エドモンのアルバータ大学の恐竜研究室Dino Labにボランティアメンバーとして参加していたのですが、新型コロナウイルス感染拡大の状況によって、帰国を余儀なくされてしまいました。
コロナ禍の中、日本に戻り、博物館の学芸員の職なども探しましたが思うようにはなりませんでした。
そうしたときに、現在の仕事のオーディションがあってチャレンジしたところ、ありがたいことに採用となりました。

ワーキング・ホリデー制度とは,二国・地域間の取決め等に基づき,各々が,相手国・地域の青少年に対し,休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。各々の国・地域が,その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し,二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とします。

外務省WEBサイトより

聖学院は英語の能力を伸ばしてくれたところ

ーー 加藤さんにとって聖学院中高とはどんな存在ですか?

私は中学受験で聖学院に入学しました。
小学生のときに恐竜博に行って以来、ずっと変わらず恐竜と古生物に興味を持ち続けてきましたが、恐竜と古生物に関して言えば、当時の聖学院中高には、私の興味を充足できるものが実はありませんでした。
そのため恐竜に関しての活動は聖学院以外で行っていました。
「恐竜好き」をアピールすることに躊躇いがあり、学校内で恐竜好きの仲間を見つけることができず、記念祭で恐竜関係の展示をするということも残念ながらできませんでした。
しかし逆に、不完全燃焼だった当時の想いが、今の活動のモチベーションにつながっていると言えます。

英語のディーン先生は化石コレクターで、私の古生物学の英会話に関してすごくサポートしていただきました。
大学を卒業してからも、海外に行きたいという相談に乗ってくれて、海外の古生物学者へのメールの書き方を教えてもらいました。
短期ですが、アメリカとカナダに行き学んだことがあります。
そのときにディーン先生に推薦状を書いていただきました。

ディーン先生も英語の先生ですが、聖学院は英語教育に力を入れていて、実際、英語力が身につく学校だと思っています。
文法だけでなく会話にも力を入れていますので、英語を話すことを躊躇わないというか、積極的な生徒が多いと思います。

私は高校1年生のときに研修旅行でタイに10日間行きました。
タイ研修旅行は面白かったです。
バンコクで5日間、チェンライ、チェンマイへ行って5日間過ごしました。
その間、象の保護区を訪れ、ナイトマーケットにも行きました。
このときにタイの料理に出会ったことが、海外の食文化について興味を持つきっかけともなりました。
私は海外では、「その国の料理はその国のものだから、その国で美味しく食べよう」という発想になるのですが、そうした考え方をするようになったのはこのタイ研修旅行からだと思います。

タイに行ったときも、自分を含めて、積極的に英語を使おうとする生徒が多かったことを覚えています。
国際的というかグローバルなマインドの根付いた学校だという印象があります。

恐竜や古生物の情報を広める上では、英語の論文を読むことは必須ですし、海外で学ぶ機会もたくさんあります。
恐竜と古生物の情報を広める仕事をしている私にとって、英語に対するマインドとスキルを与えてくれた聖学院にはたいへん感謝しています。

ティラノサウルスの歯のレプリカを見せていただきました

「こういう人がいたら良いな」と自分が思っていた大人になれていると思います

ーー 最後に加藤さんのこれからのビジョンについてお聞かせください。

先ほども言ったように私はまだまだ駆け出しです。
これからYouTubeはもちろん、イベントやTVなどで活躍できたらと好いなと思っています。
恐竜を学ぶことは、もちろん大真面目な学問なのですが、世の中的にきちんと理解されている学問分野とは言えないと思います。
実際、私は「恐竜が好きです」と胸を張って言える学校時代を過ごしてきたわけではありません。
そういう意味では、当時私が「こういう人がいたら良いな」「こういう人がいたら救われただろうな」と思っていた大人に、自分が今なれていると思っています。
だから、当時の自分のような思いをしている人がいるとしたら、私がよき理解者になれるでしょう。

恐竜というと「小さい子どもが好きなもの」というイメージがありますが、そのイメージを取り払えたら好いなと思っています。

大人になってから恐竜を好きになっても良いし、恐竜がずっと好きなまま大人になっても良いし、性別にしばられずに好きになって良いと思います。
恐竜が好きなことで学校で嫌な思いをすることはなく、むしろ恐竜の知識が学校の授業の中に応用されたりする。
そして、恐竜の仕事をするなら古生物学者以外にない、という狭い視野ではない世界になったら素晴らしいと思います。

役に立つか立たないかという基準で古生物学という学問を判断する人がいますが、一つの価値観だけで議論すべきことではなく、もっと違う見方があると私は思っています。
(取材:2022年6月)

ーー自分自身の想いに気づき、それに忠実に、後悔しないようにやりたいことをやってきた加藤さんの半生をうかがって、とても大切なことを教えられた気がしました。
これからの活躍を期待しています。

●加藤 博(かとう ひろし)さん プロフィール
職業 恐竜のお兄さん(タレント)
聖学院高等学校 2012年卒業
東海大学 文学部 歴史学科 考古学専攻 卒業
取得資格 学芸員 大型特殊自動車免許 車両系建設機械運転技能講習修了
※恐竜以外では建設機械が好き。
(大きさとバリエーションの豊富さが恐竜と共通している)
同人誌「地獄の恐竜時代 ゆっくり恐竜解説書籍版」監修
カナダでのワーキングホリデーをコロナ禍により中断して帰国
ワオ・エージェンシーのオーディションに合格して現職

誰一人取り残さない」世界の実現を目指して
聖学院は教育で社会に貢献しています。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
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