いつか釜石で、地元の人の拠り所となるイタリア料理店を経営したい|#044 藤本 充貴さん
聖学院大学 人文学部 日本文化学科 卒業
聖学院大学ボランティア活動支援センター設立10周年記念『ボランティアの集い』(2023/3/21開催)で、藤本 充貴(ふじもと あつき)さんと久しぶりに再会しました。
藤本さんは千葉県にある東京ドイツ村のレストランに勤務しているとのことで、しかも店長代理なのだそうです。
さっそく、取材交渉。
お笑い番組のロケでテレビに出演したとか、スパルタンレースというレースに出場したなどの活躍ぶりをSNSで拝見していたので、好奇心満々で東京ドイツ村での取材の日を迎えました。
冬の風物詩、イルミネーションと、
スパルタンレースの聖地
ーー最近、テレビに出演されたとか?
そうなんですよ。
6月に放映された、日本テレビの『笑神様は突然に…』のロケバトルの舞台がこの東京ドイツ村だったんです。
実は僕もちょっとテレビに出演しました。
本番直前に「藤本、よろしく」って言われて(笑)。
普段、見られない番組の裏側が見られたりして、とても面白かったです。
ーーFacebookに、スパルタンレースに参加されたことが書かれていましたが、スパルタンレースとはどんなレースなのですか?
簡単にいうならば、世界中で開催されている、世界屈指の障害物レースですね。
壁や鉄骨の山をよじ登ったり、有刺鉄線の下を進んでいき、最後は炎の上をジャンプして超えていくのが恒例らしいです。
自分の身長を超えるくらいのハードルもあって、助走をつけてよじ登るのですが、超えられないときもあります。
クリアできない障害物があるとペナルティが課せられます。
バーピーと言うのですが、腕立て伏せ、スクワット、ジャンプをセットで30回行います。
これが回数が重なってくるとかなりしんどいんです。
ここドイツ村は日本のスパルタンレースの聖地と言われている会場です。
せっかくドイツ村で働いているんだから出場しない手はないと思い、かなり真剣に、3ヶ月間かけてトレーニングと食事制限を行って、走れる身体をつくって、5月にレースに参加しました。
体重は6kg、体脂肪率も5、6%くらい落としました。
結果はまずまずで、目標にしていたラインはクリアしたという感じです。
ーー東京ドイツ村のレストランにはいつから勤務されているんですか?
昨年の11月です。
前日の11月1日まで、系列の古河市の『道の駅』で勤務して、11月2日からこちらで働いています。
ドイツ村では、レストランの中のカフェの仕事がメインで、接客も調理も、基本的にはなんでもやります。
バーベキューができる設備があり、その準備なども行います。
僕の他に店長がいるのですが、店長はドイツ村の中の管理の幅が広くて、レストランだけにずっといられないんです。
だから、自分が店長代理として職務を行っています。
仕事のやりがいといえば、お客様によろこんでいただける反応が直接見られるところです。
ここドイツ村は冬期のイルミネーションが素晴らしくて、冬の風物詩とも言われています。
お客様は、みなさんイルミネーションに感動されています。
やっぱりお客様の笑顔が一番うれしいですね。
それから、スタッフ同士の仲が良くて、職場の仲間というよりも家族に近い感覚があって、とても楽しく働くことができています。
逆に課題を上げるならば、工夫をしなければ仕事が単調になりやすいところです。
お客様に飽きられないように、満足度が下がらないように、ご来園されたお客様の細かな仕草や会話に耳を傾けながら、リアルタイムでその場のトークやサービスへ反映させています。
『道の駅』で学びたいことはまだまだあったけど
ーー どんな経緯でドイツ村で働くようになったのですか?
就職活動をはじめた当初は、冠婚葬祭の仕事をしたいと考えていて、そうした業界の企業の採用試験を受けていました。
誰かの人生の大切なシーンに関われる仕事っていいなと思ったんですね。
ブライダルと葬儀関連で一社ずつ内定をいただいたのですが、なんとなくしっくりこなくて迷っていました。
観光関連の企業にも興味を持っていましたが、こちらはご縁がありませんでした。
あるとき、同じゼミ(清水均ゼミ)の同級生にすすめられて、今の会社(株式会社ダイナックパートナーズ)に見学に行ったのがきっかけで、お世話になることになりました。
『道の駅』勤務は僕の第一希望だったのですが、まさか希望通りに配属されるとは思いませんでした。
そこで3年半勤務しました。
カフェの責任者や直売所の責任者などをやらせていただきましたが、まだまだ自分は未熟であるし、学べることがあるので、他のところに異動するわけにはいかないと思っていたのですが、人事異動の半年前からこのまま他の勤務地を知らないで過ごしてしまうのも、意見が偏ってしまうのではとも考えるようになりました。
実は、同期や近い入社の同僚で異動の経験がないのが、僕以外、誰もいなかったんです。
それで、昨年、異動の希望を出したところ、希望が叶ってドイツ村勤務となり、現在に至っています。
ボランティア活動で充実した大学4年間
ーー 大学でボランティア活動をしようと思ったきっかけを教えてください。
僕は、大学に入るまでボランティアをしたことはなかったですし、そもそもそれほど興味もありませんでした。
入学してすぐに、在校生が新入生を大歓迎する派手なパフォーマンスが特徴の、新入生向けオリエンテーション(NSO※)があったのですが、そこで東北の復興支援ボランティアを行っているSAVE(聖学院大学復興支援ボランティアチーム)の紹介がありました。
それを見て、なんかピンと来てしまって、すぐに参加することを決めました。
そこから先の大学生活はボランティア三昧でしたね。
春、夏、クリスマスとプロジェクトがありましたし、SAVEの活動の他にも、個人的な活動と合わせると、大学在学中に、岩手に20回くらい行ったのではないでしょうか。
僕はもともとは、聖学院大学に教員をめざして入学しました。
国語の先生になりたかったんです。
自宅からも通いやすいし、カリキュラムや大学の雰囲気が自分に合っていると思ったので聖学院大学を選びました。
ところが、新入生オリエンテーションで、ライフプランがまったく変わっちゃいましたね(笑)。
ボランティアにはまったのは、ありがとうと言われることが心地よかったということもあります。
でも、被災地の風景が自分の心の中に刺さっていたんです。
一回だけのボランテイアツアーで終わらせたくないなと思いました。
いつか釜石で、地域の人の拠り所になるイタリア料理店を経営したい
ーー 藤本さんのこれからのビジョンをお聞かせください。
まず短期的には会社の昇格試験を受けて、ポジションをあげられるように頑張りたいと思っています。
そして、いつか将来的には、岩手県の釜石に移住したいと考えています。
釜石で、地元の人たちが毎日集まれる拠り所となる飲食店を経営する予定です。
地元の野菜を使って、ジビエを出すイタリア料理店です。
いつになるかはわかりませんが、夢を叶えられるよう少しずつ準備を進めています。
就職活動で、とある企業の選考会だったと思いますが、「目をつぶって将来の自分がいる風景を思い浮かべてください。どんな風景が浮かびますか?」という質問がありました。
そのときに僕の目の前に現れた風景が、釜石の地元の食材を使ったイタリア料理店で働いている自分だったんです。
ーー 最後に120周年を迎える聖学院に期待することをお聞かせください。
学生一人ひとりの可能性を伸ばせる環境を、より良いものにしていって欲しいなあと思います。
(取材:2023年7月)
ーー 藤本さんありがとうございました。
釜石のジビエのイタリア料理店、いつか開店したら必ず食べに行きます。
美味しい料理を期待しています。
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