関わる人にポジティブを届けること、それが私のミッションです!|#028 小倉 心愛 さん
女子聖学院中学校・高等学校卒業
聖学院の広報メンバーの1人がこんなことを言いました。
「たまたまテレビを見ていたら、島田電機製作所という会社を紹介していたんだけど、その会社の女性社員に見覚えがあって、女子聖学院の卒業生じゃないかな。」
調べてみると、うちの広報メンバーが視聴したのは、9月に放映されたNHKの『探検ファクトリー』という番組で、そして島田電機製作所の社員として番組に出演したのは、まさしく女子聖学院中高の卒業生の小倉心愛さんでした。
卒業生のお話も聞きたいですし、何しろ本当に面白そうな会社でしたので、さっそく小倉さんに連絡をとって、島田電機製作所を訪問。
取材させていただきました。
取材にはなんと、社長の島田正孝さんにもご同席いただきました。
島田社長、お忙しいところありがとうございました。
島田電機製作所とはどんな会社?
小倉さんのお仕事は?
ーーそれではまず最初に、島田電機製作所とはどのような会社なのかを教えていただけますか?
株式会社島田電機製作所は八王子市に所在地があり、押しボタンや到着灯といったエレベーターの意匠器具を、1933年の創業以来ひとすじに作り続けている会社です。
例えば東京スカイツリーのようなコンセプトのある建物の、意匠性が高いエレベーター部品のオーダーメイドの特注品だけを受注して作っています。
ーー小倉さんは、会社でどのようなお仕事をされているのですか?
私は企画部企画グループに所属していて、企画ブランディングを担当しています。
私の所属するチームは、社長と一緒に、経営的な視点で会社の未来を描くことをしています。
特にインナーブランディングやアウターブランディングといった会社のブランドイメージを構築する活動を行なっています。
ブランドづくりは、社長との関わりがとても深いので、こんな会社を作りたいという社長の思いをしっかりと聞いて、一緒になって良い会社づくりに取り組んでいます。
社長は、「組織は人が重要である」と、社員一人ひとりのことを本当に大事に考えていて、会社のあちこちに社員のモチベーションをあげるための工夫が施されています。
私は、広報活動業務も行っていて、メディア対応は基本的に私の仕事です。
ご覧いただいたNHKの番組をはじめ、今年は、1年間に70ものメディアに取り上げていただきました。(※ 2022/12/24放映 日テレ『King&Princeる。』でも紹介されました)
広報の目的を「ファンづくり」と「新たなチャンスをつかむ」と定めているので、そのためにはメディア対応時の印象の良さを大切に考えています。
部署の仕事以外にも関わらせてもらっていて、工場見学の運営やファンづくりのための小集団活動「ファンチーム」のリーダーをやらせていただいています。
それから、新卒採用の担当もしていて、説明会から一次面接、最終面接まで全部担当しています。
採用活動は、採用してそれで終わりということではなくて、4月に入社するまでのフォローも大切な業務です。
自分が就職活動をして思ったのは、就活の面接は学生時代に頑張ったことを語るなど、自己PRの場であり、自分らしさを表現する場だということです。
それなのに皆が一様にリクルートスーツに身を固めて、髪の毛をきれいにまとめて、ナチュラルメイクにパンプス、という世の中的な「就活の常識」というものには少し違和感を持っていました。
島田電機は自由な服装で面接が行われます。
ただの就活生の1人としてではなく、自分の中身を見てくれる、小倉心愛を見てくれるというところに私は魅力を感じました。
自分は共感をすると共有をしたくなるので、今度はその魅力を採用担当として学生に伝えることをしています。
島田社長に”小倉さんに期待していること”をうかがいました ↓
女子聖学院での大切な思い出
バスケ部のマネージャーをやり遂げた経験
ーー女子聖学院での思い出を教えてください
私は女子聖学院では本当にいろいろなことをやってきました。
学校には生徒の持っている賜物(たまもの)、自分らしさ、を引き伸ばしてくれる取り組みがたくさん用意されていると思います。
そして、単に用意されているだけではなくて、一緒にできる仲間が常にいました。
そして伴走してくれる先生の存在もありがたかったです。
それから、生徒が自由にやらせてもらえることが本当に多いなと感じていました。
具体的にあげるとすれば、女子聖の卒業生はみんな言うと思いますが、やはり運動会ですね。
運動会は、私にとっての一生の思い出です。
みんなが同じ方向を向いて目標をめざした、かけがえのない経験でした。
パラスポーツ応援プロジェクトもすごく楽しかったです。
在学中はもちろん、高校を卒業してからもメンターとして少し関わらせてもらいました。
それからもう一つあげるとすれば、バスケットボール部のマネージャーです。
私は中1のときにチアリーディング部にいたのですが、1年でやめてしまいました。
次に演劇部に入ったのですが、その演劇部も短期間でやめてしまって、私は長続きしない人なんだなあ、と自分でも少し投げやりになっていたときがありました。
実は中学生のときは新体操や造形教室、塾など、習い事が多くてキャパオーバーになってしまい、諦め癖がついてしまったのだと思います。
そんなときに幼稚園からの幼馴染に、「バスケ部のマネージャーが足りないのでやってくれないかな?」と頼まれました。
私は、マネージャーだったら責任も重くなくて、それほどたいへんなこともないだろうと軽く考えて引き受けました。
実は私の母親も女子聖の卒業生なのですが、バスケ部の、当時コーチだった顧問の今井先生も女子聖の卒業生で、しかも母親と同級生でした。
入部当初は先輩のマネージャーたちが中心だったのですが、先輩が引退してからは今井先生に呼ばれて、これからは小倉さんたちが選手を支える立場として頑張ってほしいと言われました。
私が思い描いていたのは、スポーツドリンクを用意するとか、練習着をたたむとかをするくらいのマネージャー像だったのですが、段々とそれだけではないことがわかり、また、それだけでは嫌だ、プレーヤーをもっと支えたいと思うようになりました。
どんなことをマネージャーがしたら選手はよろこび心の支えになれるだろうかと考えて、例えばシュートの成功率を一人ひとり計算しシュートフォームのフィードバックをしたり、毎日の選手一人ひとりの体調に気を配り管理などをしました。
大会前には夜な夜な選手それぞれに手紙を書いたり、苦手な裁縫で傷だらけになりながらお守りを作ったことも今ではいい思い出です。
単なるマネージャーではなく選手一人ひとりと向き合ってちゃんとマネジメントするということに力を注いだのです。
バスケ部のマネージャーは、何をしても長続きしないと思っていた自分が、中2の途中から入って、高3の引退まで続けることができたので「やればできるじゃん、自分!」と思いました。
コーチに厳しく叱られながらも、チームの一員としてチームに貢献し、最後まで自身の役割を全うできたことを私は誇りに思っています。
自分は目立ちたがりで、表舞台に立つタイプだと思っていました。
しかし裏方であるマネージャーを経験したことで、誰かを支える存在の難しさや面白さにも気づくことができました。
人と一緒に何かをめざすことが好き
その原点となった女子聖学院
ーー小倉さんにとって女子聖学院とはどのような存在ですか?
自分のこれから生きていく上での価値観を築いてくれた原点かなと思います。
というのは、社会人になって、仕事などで行き詰まったときに、女子聖のときの写真や、先生からいただいたメッセージなどを読み返すことが本当に多いんですね。
会社の私の机の引き出しにはパラスポーツ応援プロジェクトのパンフレットや、カンボジアのチラシが今も入っていたりします。
今の自分がこうしてここにあるのは、間違いなく女子聖での経験があったからだと純粋に思っています。
当時は将来のためとか考えてやっていたわけではなくて、そのときが楽しいからやっていたわけですが、今振り返ってみると、あのときのことが今必要なことだったんだなと思うことが多いです。
私が、「人と一緒に何かをすること」「チームで成果を出すこと」が好きなのは、中学生のときから変わらないスタンスであり、そうした自分のポリシーをつくってくれたのはまさに女子聖だと思っています。
関わる人にポジティブを届けること
それが自分のミッション
ーー小倉さんのビジョンをお聞かせください。
正直なところを話すと、具体的なプランは描けていないんです。
というのはコロナ禍を経験して、ますます予測のつかない、思い通りに行かない社会であることを実感しているからです。
しかし、そうであるからこそ、今の自分がどうありたいかを固めるチャンスかなとも思っています。
いつも「過去の方が良かった、前の方が良かった」と過去に縛られるのではなくて、今の自分、これからの自分にワクワクすることができたら幸せだと思います。
そして、私のミッションとは何かといえば、関わる人にポジティブを届けることです。
私と関わった人が幸せになってほしいし、自分の存在が誰かの心の支えになって、「心愛(こころ)がいたからこれができた」と言われることは私にとって幸福なことであり、最高の褒め言葉だと思っています。
(取材:2022年11月)
ーー 人を大事に思っている小倉さんと、島田電機製作所さんがそんな小倉さんを大切にしてくれていることが伝わってくる、本当に素敵な取材になりました。島田電機製作所のみなさん、お忙しいところありがとうございました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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