自分がしてもらったように誰かの背中を押せる人になりたい|#010 由木 加奈子さん
聖学院大学 こども心理学科 卒業
主体性が生まれていったボランティア活動
由木加奈子さんは在学時、幾度となく釜石を訪問、ボランティア活動やスタディツアーに勤しむ学生でした。
最初は友達に誘われるがままに参加していましたが、次第に主体性が生まれていったそうです。
大学4年生の時、由木さんはサービスラーニングという授業の一環で、釜石の高校生が立ち上げるプロジェクトにサポートとして加わります。
当初、現地の高校生は先生に言われたからという姿勢で、あまりモチベーションも高くなかったそうです。
「自分たちも次の世代の未来に貢献したい」
由木さんはかつての自分と高校生の姿を重ね合わせ、釜石でのボランティア経験やプロジェクト運営について共に考える時間を大切にしました。
するとそこから高校生たちの意識が変わっていき「自分たちも次の世代の未来に貢献したい」
と防災講座を開く企画が生まれました。
防災講座が実現するまでの半年間、高校生の中に街の担い手としての意識や郷土愛などが生まれ、由木さんはその様子にとても感動したそうです。
それと同時に、外の人だからこそできる役割があり、自分はそういう役割に向いていると実感したと言います。
以前よりも自分のことが好きになれました。
この経験を機に、由木さんは決まっていた内定を辞退し、釜石リージョナルコーディネーター・釜援隊に着任。大学卒業と同時に岩手県釜石市に移住します。
「いつも周りに流されて積極的になれない自分がいたけれど、大学での活動を通して以前よりも自分のことが好きになれました。
それを支えてくれた数多くの人がいます。
だから今度は自分が誰かの背中を押してあげたい。それができた時にワクワクするし感動します」。
釜援隊は最初から3年という活動期間が決まっていて、今年3月に解散しました。
しかし由木さんは
「まだ何かできることがあるのでは」
と釜石に残ることを決意。
次代を担う若い世代への支援を続けていきます。
(取材:2021年5月)