税理士の仕事と青年会議所の活動で地域に貢献|#047 會田 篤さん
聖学院大学大学院 政治政策学研究科 修了
聖学院大学大学院 政治政策学研究科は、税理士をめざす方の間では、優秀な教員が揃っていることで有名な大学院です。
論文での税法科目免除を目的に学ばれる方が多く、実際これまでにたくさんの修了生が税理士となって社会で活躍されています。
會田 篤(あいだ あつし)さんはそうした修了生の一人で、大学院案内パンフレットや聖学院大学大学院のホームページにご登場いただいています。
今回は、青年会議所でもご活躍中の若き税理士、會田さんの取材をさせていただきました。
税理士の仕事と青年会議所の活動で地域に貢献
ーー税務上の相談から起業の相談まで、税理士事務所の仕事は意外と幅広いのかなと思っているのですが會田さんの事務所ではどのようなお仕事を専門とされているのですか?
確かに、何かに特化されている税理士事務所はありますね。
例えば、うちは相続しかやりませんというところがあったり、医療法人を専門にしていたり、農業法人を専門にしているところなどあります。
私のところは基本的には専門を持たずに、法人、個人、資産税などオールラウンドに対応しています。
税理士の主軸とする仕事は、顧問契約をしている企業の財務状況について企業が作成した帳簿をチェックしたりすることですが、単に数字があっているかどうかをチェックするだけではなくて、経営戦略的なアドバイスも行っています。
一昔前であれば、帳簿のチェックをして報告するだけで仕事が成立しておりました。
しかし今は顧客のレベルが上がっていて、自分たちでしっかりとした帳簿を作れますので、プラスアルファの仕事が税理士事務所には求められているわけです。
また、私は比較的年齢が若いので、スタートアップ企業からの相談など受ける機会が多くあります。
青年会議所で活動をしていますので、青年会議所のメンバーから「僕の友だちが起業を考えているんだけど」と相談を受けるケースも結構あります。
ーー青年会議所でのご活動についてもお話いただけますか?
青年会議所では埼玉ブロックの副会長を務めています。
昨年2022年度は、自身が所属している久喜青年会議所の理事長を務めました。
久喜青年会議所のことを少しご紹介いたします。
活動内容は、主には青少年の育成事業です。
小学3年生から6年生くらいを対象にしたイベントを考えて実施したりしています。
具体的には、例えば昨年は投資について学んだり、会社を想定して商品開発を考えるなどの起業家育成のプログラムを行いました。
活動の動機は地域への貢献です。
この町が少しでも良くなればいいなと思っています。
青年会議所に所属できるのは40歳までです。
いくら、もっと続けたくても40歳で卒業しなくてはならないので、それまでにいろいろなことをやりたいと思います。
来年は関東地区で役職について、最終的には本部での活動で締めくくろうと思っています。
いろいろな人と出会って、いろいろな経験を積めるといいなと思います。
それはきっとこれからの仕事にも生きてきますし、何しろ単純に楽しいですから。
青年会議所には、本当に変な人、いい意味での変な人がいっぱいいて、楽しいんですよね。
※會田さんが所属する久喜青年会議所のWEBサイト
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論文で税法科目を取得するメリット
ーー大学院への進学の動機を教えてください
なぜ聖学院への進学を選択されましたか?
税理士資格の取得にあたって、最初は試験のみでの取得を考えていました。
いくつかの科目を受験して、Aランクでもうちょっとだったりしたのですが、今後の開業、運営のプランを考えると、より資格取得が確実なプランを選択したいと思い、大学院へ進学して論文で税法科目を取得する方法を選択しました。
論文で税法試験科目が免除にできる大学院の中で、なぜ聖学院を選んだかといえば、一番は、いろいろと調べてみて聖学院の教員の評判が高かったからです。
それから自宅からの通いやすさという面もありました。
実際に大学院で学んで、自分の指導教員である吉川保弘先生と出会えたことは大袈裟でもなんでもなく、かけがえのない財産になったと思っています。
吉川先生は、頭の回転がとても速く、それでいて物腰が柔らかく紳士的な先生でとても尊敬しています。
そして私は、吉川先生のお陰で税法の面白さに気づくことができました。
試験ではなくて大学院で論文を書いて税理士になったメリットは、まず一つは人との出会いですね。
師である吉川先生との出会いはもちろんですが、同じく吉川先生の指導を受けた他の二人の同級生との出会いもやはり私の大きな財産になっています。
私は立教大学出身なのですが、大学院の一つ下の後輩に立教大学の同級生がいました。
今は彼女も税理士として活躍しております。
メリットのもう一つは、資格試験の場合と比較して考える深さが違うということです。
試験では趣旨まではもちろん理解をしますが、考えることは必要最低限に留めておいて、あとはとにかくガンガン書いて計算するという感じなんです。
ところが論文を書くならば、自分自身が納得をするまで深く考え抜くことが必要になります。
例えば、制度の話であれば、その制度が置かれた趣旨や歴史的経緯、問題点などをしっかりと調べて考えていきますので、深く考える癖が身につきました。
そしてそれは、お客様に対して説明をするときの現在の力となっています。
ーー修士論文のテーマを教えてください。
私は「法人税法における欠損金の繰越控除に関する一考察」というテーマで論文を書きました。
論文作成で大変だったのは、とにかく膨大な資料を収集して整理することと、単なる情報の寄せ集めにしないために、自分なりの解釈と提案を導く必要があったことです。
ちゃんと書けていなければ、そもそも吉川先生の合格が出ません。
しっかり指導いただいて完成した論文なので、国税審議会の研究認定申請は心配はありませんでした。
論文に取りかかる前、ゼミの前半では、ゼミ生が交代で、税の制度などについて調べてきて、それを30分かけて説明するという授業を行なっていました。
例えば私は『タックスヘイブン』について調べてきて、十分に調べて準備をしてきたつもりだったのですが、調べが足りなくて10分ほどで説明が終わってしまったことがありました。
恥ずかしい思いをしましたが、そうした授業での経験を通して、知識やスキルを身につけられたことが論文執筆の力にもなりましたし、現在の実際の仕事の場面でも大いに役に立っています。
お客様が社業に打ち込めるための最良のパートナーをめざして
ーーこれからのビジョン、実現させたい夢などをお聞かせください
実は税理士事務所の経営理念を作成しているところなのですが、「お客様が安心して社業に打ち込めるための最良のパートナーでありたい」「そのために、日々の勉強を惜しまない」という思いで仕事をしています。
経営者の方はみなさん、多かれ少なかれ不安を抱えて仕事をされています。
そんな不安を少しでも取り除き、会社の発展のために支えとなるのが税理士の使命であると私は考えています。
正直をいえば、顧問先数を積極的に増やしたいとは思っていません。
自分がしっかりと目を配ることができる規模で、お客様に満足していただける事務所にしていきたいと思うからです。
また、事務所を支えてくれるスタッフみんなが、働きやすさや働きがいを感じ、そしてともに成長していける事務所にしていきたいと思っています。
(取材:2023年8月)
ーー ありがとうございました。税理士事務所のお仕事、そして青年会議所の活動と今後のますますのご活躍を期待しています。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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