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I want to be a teacher ! !|#054 鈴木 圭子さん

女子聖学院短期大学 英文科 卒業

女子聖学院短大 英文科 卒業生の鈴木 圭子(すずき けいこ)さんは英語教室を20年以上経営されています。
また最近は、放送大学で学んでいると聞きました。

どのようなきっかけから英語教室をはじめられたのか、そして、次なるビジョンをどのように描かれているのでしょうか。
とても興味が湧き、このたび取材をさせていただくこととなりました。



オーストラリアに住むことを夢見て、めざした、日本語教師

ーー 英語教室で英語を教える以外にも、現在はいろいろとお仕事されているとうかがいましたが、具体的にはどのようなことをされているのですか?

メインはここ神川町で、英語を中心とした学習塾をやっています。
対象は幼児から大人まで幅広く、中高生は学校の英語の勉強と英検対策。
大人の方はそれほど多くは在籍していませんが、英会話がメインで、ときどきはTOEICの対策指導もしています。

学習塾以外でも、地元の幼稚園で月に3回、英語を教えています。
英語を使って楽しく遊んでいるだけですが、園児ですから、まずは英語を好きになってもらうのが何よりだと思っています。

それから今年から、群馬県の前橋にある日本語学校で日本語教師をしています。
日本語教師になったのには、こんなエピソードがありました。

短大を卒業したずっと後のことですが、実は私は洗礼を受けてクリスチャンになりました。

今から15年くらい前ですが、オーストラリアのシドニーで開催されるヒルソングカンファレンスというキリスト教のイベントによく参加していました。
当時は年に3回、4回とシドニーを訪れていたので、向こうの友人やホームステイ先のホストファミリーから「家を買ってシドニーに住んだらいいのに」と言われていました。
私はそれを真に受けて、どうやったらオーストラリアに住めるだろうと真剣に考えました。
「日本語を教えればいいんじゃない」と現地の友人に言われて、なるほどそれは良い考えだなと思いました。

しかし調べてみると日本語教師になるのには、「日本の大学で日本語を学んだ」、あるいは「420時間の養成講座を受講し修了した」、または合格率が極めて低い難関資格の「日本語教育能力検定試験※に合格した」、といういずれかの条件を満たす必要がありました。

※2024年4月より国家資格『登録日本語教員』となることが決まりました。

ご察しの通り、一番コストがかからない方法は検定試験に合格することですが、合格率が20%程度しかないと聞いて、すっかり私は怖気づいてしまいました。
そこでなんとかスケジュールを調整して、週に2回養成講座に通うことにしました。
養成講座修了後は、もちろんシドニーの日本語学校で働きたいと思っていたので、就職相談でそう話してみたのですが、さすがに、そんなに都合の良い募集はありませんでした。

あるとき一緒に養成講座を受講した仲間から、勤務先の学校で教員が足りなくて困っている、と声をかけてもらい、都内の日本語学校で非常勤講師として1年半ほど働かせてもらいました。

しかしその後、日本語教師の資格要件が変更になり、また、コロナパンデミックで海外からの留学生が激減し日本語学校の教員の需要が減ってしまったこともあって、勤務していた日本語学校を退職することになってしまいました。
その代わりに日本語指導有償ボランティアの活動をはじめました。

同じ頃、私は英語以外の語学もできたほうが良いと考えて中国語の勉強をはじめていました。

中国語の検定試験を過去2回ほど受けているのですが、その試験会場だったのが、実は、現在私が日本語教師として勤務している日本語学校でした。
ひょんなことから、日本語学校の方と話をする機会ができて、とんとん拍子に話が進んで勤務させていただくことになりました。
すごいご縁だなと思っています。


I want to be an English Teacher ! !

ーー 短大を卒業してから英語の先生になるまでにはどのような経緯があったのでしょうか?

私が短大を卒業した時代はいわゆるバブル景気のときでした。
短大の友だちの多くは大手企業への就職をめざして就活をしていました。

私は、大手企業に入れたとしても、自分の望む部署に配属されるとは限らないし、一度就職してしまったら長く休むことは簡単にはできなくなるだろうと思って、海外で学ぶなら今しかないと考え、すぐに就職することをしないで、大好きだったアメリカに2ヶ月間留学することにしました。

アメリカに行くと、ホームステイ先のホストファミリーから
「ケイコは何しにアメリカに来たの?」
と質問されました。
「英語を喋れるようになりたいから」
と答えると、
「なぜ英語が喋れるようになりたいの?」
と聞いてきます。
「英語が喋れたら、世界中に友だちがいっぱいできるから」
と私は答えるのですが、そうしたらまた
「なぜ友だちをいっぱい作りたいの?」
と聞かれます。
ホストファミリーのお母さんだけでなく、あちこち連れて行ってもらった先の紹介される人すべての人とこうしたやり取りが繰り返されるのです。

それで、もう面倒になってしまった私はとっさに
I want to be a teacher
と答えてしまいました。

そうしたら「ああ、そうなの、頑張ってね」って、みんなすぐに納得してくれました。
これはいいなと思って、それからはそう答えるようにしました。

帰国するまでずっと「私は英語の先生になりたい」と言い続けてきたので、自分自身も自分の言葉に強い影響を受けてしまったのだと思います。
帰国して何をしようかと考えたときに、すぐに思い浮かんだ職業が英語の先生でした。

そして、そこから私の英語の先生の歴史がスタートしました。


初めての礼拝と宿泊行事に不安を抱くも

ーー 女子聖短大時代の思い出をお話しいただけますか?

女子聖学院短大に進学したのは高校の先生に奨められたからです。
英語が好きだったので、英語が学べる学校という探し方をしました。

キリスト教について、入学するまでほとんど馴染みがなかったので、礼拝式の入学式の体験は大きな衝撃でした。
さらに、入学式の翌日から軽井沢で新入生オリエンテーションの宿泊行事がありました。

入学して早々に、初めて会う同級生らと名前順で同室に割り振られて、もしかして、とんでもない学校に進学してしまったのではないか、と不安しかありませんでした。

しかし、その夜の余興で、クレーラ先生がビートルズの歌に合わせて陽気に踊ったのを見て、「なんか楽しそうな学校だな」と学校のイメージが一変しました。

合宿から戻った翌日からは、同じ釜の飯ではないですが、短い期間とはいえ寝食をともに過ごした仲間という意識があって、同級生らとすぐに仲良くなることができました。
今考えると、この宿泊行事はとても良かったと思っています。


ESSの活動で充実した短大時代

それから、なんと言っても短大時代の思い出といえば、ESS※の活動ですね。
当時、短大のESSに、2学年合わせて20名くらい部員がいたと思います。

※ESS=English Speaking Societyの略、英語部。
現在、聖学院大学に英語部はありませんが、ぜひとも復活させたいです!!

ESSは一般的には「スピーチ」「ディスカッション」「ディベート」「ドラマ」というカテゴリーがあり、大きな大学の、部員の多いESSではセクション別に分かれていたりします。

女子聖学院短大ではディベート以外の3つのカテゴリーのアクティビティを行っていました。

春には新入生が全員参加するフレッシュマンディスカッションの大会を関東学生英語会連盟(KUEL)が主催していて、70大学くらいから学生たちが集まりました。

夏はスピーチコンテストがありました。
聖学院主催のスピーチコンテスト(小田信人杯)があり他大学からたくさん参加がありましたし、私たちも他大学のスピーチ大会に応募していました。

ドラマは英語劇のスクリプト(台本)を選び、発表に向けて練習をしました。

女子聖学院短期大学の卒業記念品を手に持つ鈴木圭子さん
女子聖学院短大 卒業記念のシーリングスタンプ


学生に寄り添う学校であって欲しい

ーー 実現させたいビジョンをお聞かせください

2020年に日本語教師の資格要件が変更になって、学士の学位を有することが必須になりました。
そのため私は放送大学の「心理と教育コース」で2年間学びました。
必要に迫られて学んだのですが、心理学を学んだことはとても意味があったと思っています。

現在はさらに、放送大学の「人間と文化コース」に在籍をしており、認定心理士の資格を取得したいと考えて勉強しています。

心理学を学び、特にマズローの欲求5段階説を学んで思うのは、子どもたちが学習意欲が上がらないのは、自己実現欲求や承認欲求のその前に、安全欲求が満たされていないことが問題としてあるのではないかということです。
つまり、本人たちだけの問題ではなく家庭などの環境に問題があるのではないでしょうか。

結局私は、心理学を学んでどうしたいのかといえば、やはり教育に活かしたいと思っているのでしょうね。

ーー 最後に聖学院に期待していること、望むことをお聞かせください

学生時代に篠原(江川)先生が、授業中に「悩みがあったらいつでも電話してきてください」と言って黒板に自分の自宅の電話番号を書き出したのを覚えています。

自宅の電話番号をすべての学生に教えるなんて、今ではあり得ないですね。
実際に電話をしたことはないのですが、いつでも相談に乗ってもらえるんだという安心感を持つことができました。

聖学院は「面倒見が良い大学」として定評がありますが、いつまでも学生に寄り添う学校であって欲しいと思っています。
(取材:2023年12月)


ーー 鈴木先生も生徒たちに寄り添っている先生だと思います。今度ぜひ大学にパイプオルガンの演奏を聴きにきてください。

●鈴木 圭子(すずき けいこ)さんプロフィール
英語教室経営
女子聖学院短期大学 英文科 卒業
日本語学校  日本語教師
日本語指導員


「誰一人取り残さない」世界の実現を目指して
聖学院は教育で社会に貢献しています

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